「ユーリ!」
あの少し記憶にない決闘から一年も経ったけど、未だにウ゛ォルフには会っていない。
「あ~…早く会いたいな~。おい村田、お前大賢者ならいつごろ行けるか予言してみろよ。」
「無理言うなよ渋谷~。エスパーじゃないんだから。」
あれからあちらではどの位経ったのだろう。コンラッドやあの過保護な教育係はどうしてるかな?
そして、ヴォルフラムは…俺の婚約者はどうしているだろう。
「あ~ぁ…早く会いたいな…。」
でも、再会は突然だった。
「ただいま~。」
「遅いぞ!ユーリ!」
「!?な・何でヴォルフがここに!」
「聞いたわよゆーちゃん。この子ゆーちゃんの婚約者なんですって?」
「い…いやお袋これにはふかーい訳が…」
「何でこんなかわいい子ママに紹介しなかったの!」
「は!?」
「猊下、ユーリは何と言っているのだ?」
「えっとねー、つまりはこういうことだよ。渋谷は叔母さんに婚約者がいることを言ってなくて、叔母さんはそれを怒って「婚約なんて許しません!」って言ってるんだ。」
「そんな…何とか出来ないのか?」
「それはね…」
ひそひそ。ごにょごにょ。ボソボソ。
「なるほど!」
「だからさお袋…」
「不束か者ですがよろしくお願いします。」
「は!?何言ってんだよ。ヴォルフ!」
「そうよ。そんなにかわいい子が土下座なんてしないの。ねっ?」
「ねっじゃなくて…」
「……猊下…?話が違うぞ!足が痛いではないか!」
「Σお前土下座して足痺れたのか…。」
「まぁ大変!ほらっ土下座なんてするからよ。」
「ゆーちゃん?どうしたんだ?」
「勝利!?何してるんだよ!」
「何って今日は休日だぞ?それとお兄ちゃんと呼びなさいって言ったでしょ!」
「誰が呼ぶか!っていつの間に父さんまで!?」
「その言い方はないだろゆーちゃん。せっかくパパが早く帰ってきたっていうのに」
「…いつも同じ時間じゃねぇか…!」




「…なぁ猊下…」
「何だい?」
「僕は来なければ良かったのか?」
「どうしてそう思う?」
「僕だけ言葉が解らなくて、邪魔になるからだ。」
「渋谷だったらそんな事言うと思う?」
「いや!ユーリは僕の事を愛してるからそんな事は言わない!…と思う。」
「そうでしょ?」
ガチャッ
「あら。いらしゃい。…あら?貴方あの時に相乗りになった…」
「コンラッド!?」
「ウェラー卿!?」
何とそこには正義の美男子コンラッドが。

「お久しぶりです。陛下。」
いつも同じさわやかスマイル。
「ま…眩しい…」
何の事だと睨みながらもヴォルフは、小さな疑問をコンラートに投げ掛けた。
「ウェラー卿、何故ここにいるんだ?護衛のお前が城を出て大丈夫なのか?」
「ヴォルフこそ。」
「うっ…」
もしかしてヴォルフはグウェンには内緒で来たのか?
「グウェンダル心配してたぞ。何で城を抜け出したりしたんだ?」
「それは…ユーリに…会いたかったから。」
「そうか…それなら仕方ないな…。そうだ、今日はユーリの家に泊まったらいいんじゃないのか?」
「は!?」
「駄目か?」
「いいっちゃいいけど…グウェンが心配するんじゃないのか?…うわっ!わかった!泊めるから泣くなっ!」
「…ゆーちゃんヴォルフラムちゃんに弱いわねぇ……。」
����������

・・・その頃血盟城では・・・



「う゛ぉ~る~ふ~ら~む~!!!」
どこかの誰かの悲惨な叫びが城を突き抜けて、遠い国シマロンやルッテンベルグまで響いていた。
「ヴォルフッ!ヴォルフッ!ヴォルフ~!」
「あぁっ!あの我が儘プーの事です!陛下のお家にでも押し掛けて陛下を困らせているのでは…!あぁっどうしましょう!私があの我が儘プーを見張っていればよかった事なのに…!」
「ギュンター、汁が出ていますよ。」
「アッ…アニシナ…なぜここに?」
「もちろん!グウェンダルにもにたあになってもらう為ですよ。それがどうかしました?」
「!!」
「…と言いたい所ですが、グレタに毒女文字を教えて欲しいと言われたので、もにたあにするのはまた今度にし
ましょう。」
「毒女文字…」
「グレタがみるみる毒女へと…」
「何を泣いているんですかグウェンダル!」
「アニシナッ!」
「まぁグレタ。すっかり一人前の毒女ですね!」
「うん!グレタも大きくなったらアニシナみたいな毒女になるんだ!…あれ?グウェン、どうして泣いてるの?」




���������その頃渋谷家では…・・・


「今日一日ヴォルフの相手してて疲れたなぁ…」
「ゆーちゃん、お休み。」

ゴソゴソ。

「!?」
ゴソゴソ…
「何このゴソゴソって!」
ゴソリ。
「…遅いぞユーリ…」
「何だ…ヴォルフかぁ…」
ぐぐぴぐぐぴ…
「…って寝るの早っ!」


※※※※※※※※※※

その頃血盟城では……

「ではグレタ、これは何と読みますか?」
「えっと…天の川?」
「その通りです!あなたも将来は立派な毒女ですね!」
「わ~い!アニシナに褒められた!」




※※※※※※※※※※その頃渋谷家では……

「…ぐぅぇっ……おいヴォルフ。いい加減上に乗るの止めろ…」
「ぐ…ぐ…ぐ…ぐ…」
「ぐ?」
「グレタ…」
「グレタが夢にまで出てきてるのか…」
「グレタが毒女に…」
「!?」
「何今の不吉な言葉!?」
「アニシナの奴恨んでやる…」
「何かヴォルフがどんどん残酷に!!」
「ア…アニシナ…僕を実験台にするのは…やめ…ろ……」
パタリ。
「おーい!ヴォルフ!?何か夢の中で死んじゃった!?」
「ぐぐぴぐぐぴ。」
「って・・そんな訳ないよな・・・」
だとしたらあの『パタリ。』はなんだったのだろう。


・・・・その頃血盟城では……

「ギュンター!何をそんなことでへばっているのです!これだから最近の男は弱いと言われるのですよ!?」
「……プスプス……」
「はぁ…もっと魔力のある人を探さなければ。」
「アニシナ!」
「おやグレタ。どうしたんですか?」
「グレタね!グレタね!!」
「グレタね!魔術を使えるようになったの!すごいでしょ!!」
「どうしてですか?…まさか熱でも?」
「違うもん!グレタ、お熱はないよ!」
「ならどうやって?」
「アナシナの発明品を使ったの!」
「私の発明品?」
「うん。」
「何と言う発明品ですか?」
「えっとね~…確か…魔力溜る君!」
「そんな物私は作っていません。」
「え~!!でも毒女印だったよ??」
「それはきっと偽物の毒女印ですよ。」
「偽物…」

「あーぁ…せっかくユーリやヴォルフみたいに魔術を使えるようになったと思ったのに……」
「陛下の子供ですから、きっと魔術を使えるようになりますよ。」





その頃渋谷家では……



「ふぁあぁ~…」
「あらゆーちゃん。今日は早いわね。」
「うん。ヴォルフのせいで眠れなかったからさ…」
「何を言ってるんだユーリ!僕はよくへふれた…ふぁぁ~」

パタリ。
「あれ!ヴォルフ~!?」
「ぐぐぴぐぐぴ。」
「何だ寝ただけか…」



~~~~~~~~~~~~
…………三時間後…………
~~~~~~~~~~~~




「ヴォルフ!!?もう九時だぞ!!??お前三時間も寝てるぞ!?」
「もう少し寝かせろ・・」

~~~~~~~~~~~~~~~
……………五時間後………………
~~~~~~~~~~~~~~~

「ふぁ……!?」
「ぐ~~…」
「何でユーリは寝てるんだ!?」
「ん~…ヴォルフ…?お前今何時だと思ってるんだ…もう12時だぞ…」
「12時!?そんな訳あるか!!」
「ぐ~…」
「ちっ…」








~~~~~~~~~~~~~~~
………その頃血盟城では…………
~~~~~~~~~~~~~~~


「ア…アニシナ…?…」
「あらグウェンダル。いたのですか。ちょうどいいですね。私の発明品のもにたあにして差し上げましょう!」
「!!?」
「その名も!い~つ~で~も~ふ~る~ふ~る~く~ん~!」
「そ…それはどんな物なんだ?」
「フフッ。このいつでもふるふる君はですね,いつでも雨が降るという,超ハイテク魔動式機器なのです!」
「そ…それは要らないと思うんだが…。」
「さぁ!思う存分魔力を提供するのです!」
「ぎゃあぁあぁあぁぁ~~~~!!!」



「アニシナ?」
「あらグレタ。」
「…プスプス…」
「グウェンが焼けてる…?」
「えぇ。名付けて『グウェンダルの丸焼き』です!さぁグレタ。あなたがこの試作品の味見係ですよ。」




「うぅ…」
「…」
「兄上が毒女の餌食に……」
「…?」
「…夢か…。」
「それにしても恐ろしい夢だった…」






THE END




えっと…分かりづらい人の為に説明すると、結局はヴォルフの夢というオチです。結局はユーヴォルでも何でもないんですね!!